格差社会

昼過ぎ、スタジオの電話が鳴った。

めったに鳴らない回線側の電話だ。

出てみると母からの電話だった。

緊急事態発生。
畑仕事を終えて、野菜を処理中に誤って指を切ってしまったのだ。

出血が止まらないので病院に連れて行ってほしいと電話してきた。

僕も一瞬血の気が引いた。


家に帰り右手にティッシュが真っ赤に染まって巻きついている母を見て落ち着きを無くしてしまった。

救急車を呼ぼうか、掛かり付けの病院まで連れて行こうか？
一瞬判断が出来なかった。

とりあえず総合病院に連絡をしたのだが、本日は休日診療で外科は担当医がいないとのことだった。

救急車を呼ぶほどではないが、休日当番医ぐらい紹介してもらえるだろうと電話をかけてみた。
消防署から隣の市の済生会病院を紹介されたので電話をしてみる。
ここも、当番医は泌尿器科とのこと。

再度消防署へ電話。
これを３回繰り返しやっと行き先が決まった。

～。

処置を終え診察室から元気に出てきた母を見てやっと落ち着いた。

・・・。

低所得者でほぼ年中無休の僕と、高額報酬で休日がある医者。


ここにも格差社会の一面がある。